この記事の要点
- 外注するのにも知識は要る。ただし必要なのは工程の名前と役目、それとどこで止まっているかを見る目の2つだけ
- 広告は動画とLPと連絡先の受け取りで1セット。どれか1つでは成立しない
- 動画の役目は連れてくることだけ。決めてもらう役目は持っていない
- LPの役目は迷いを消すこと。プロフィールや予約サイトでは代わりにならない
- LINEやメールの役目は、今決められない人を残すこと。ここが無いと全部消える
- 見積もりが安いときは、腕ではなく工程が抜けていることがある。しかも善意で削られていることも
広告を出したのに、予約が入らなかった。
その経験があるなら、たぶんこう思ったはずです。「動画が悪かったのかな」
ちょっと待ってください。その前に見てほしいものがあります。
実際にあった話をします
あるサロンで、インスタ広告を5日間、合計5,250円で回しました。1日あたり1,000円ちょっとです。
結果はこうでした。
クリックはされていました。予約はゼロでした。
ここで多くの人は「広告は効かない」と結論を出します。でも、この数字が言っているのは、まったく別のことです。
| 段階 | 結果 |
|---|---|
| 広告が表示される | できていた |
| クリックされる | できていた |
| 予約が入る | ここで止まった |
見てください。動画は仕事をしています。 ちゃんと人を連れてきています。
止まったのは、その先です。
本来、広告は3つに分かれています
ここが今日いちばん伝えたいところです。
広告って、動画を出すことだと思われがちなんですけど、違います。本来はこういう形をしています。
動画 → LP → 連絡先の受け取り(LINEやメール)
この3つで、やっと1セットです。そしてそれぞれ、まったく違う仕事をしています。
| 工程 | 役目 |
|---|---|
| 動画 | 足を止めてもらう。連れてくる |
| LP | 迷いを消す。決めてもらう |
| LINE・メール | 今決められない人を残す |
1つでも抜けると、そこで人が消えます。
さっきの5,250円の例は、動画しかありませんでした。だからクリックの直後で全部こぼれていたんです。
動画の役目は「連れてくること」だけです
まず、ここを分けて考えてください。
動画の仕事は、スクロールしている指を止めて、興味を持たせて、押させること。 ここまでです。
決めさせる役目は、持っていません。
だって、数十秒の動画で「よし、ここに行こう」まで決められる人って、そんなに多くないですよね。値段も、場所も、どんな人がやっているのかも分からないので。
だから、動画がどれだけ良くても、その次が無ければ予約にはなりません。
ここを混同すると、こうなります。予約が入らない → 動画が悪い → もっといい動画を作る → やっぱり入らない。
動画をいくら磨いても、抜けている工程は埋まりません。
LPの役目は「迷いを消すこと」
クリックした人が着いた先で、何が起きるべきか。
その人は、まだ迷っています。その迷いを1つずつ消していく場所がLPです。
- どんなメニューがあるのか
- いくらなのか
- どこにあるのか
- どんな人がやっているのか
- 初めてでも大丈夫なのか
これが順番に出てきて、最後に「予約はこちら」がある。これがLPの形です。
プロフィールや予約サイトでは、代わりになりにくいです
「LPなんて無くても、プロフィールに飛ばせばいいのでは」と思うかもしれません。
半分は正しいです。ただ、プロフィールは説得する作りになっていません。 投稿が並んでいるだけなので、迷っている人は迷ったまま帰ります。
予約サイトに飛ばす場合はもっとはっきりしていて、そこは比較の場です。せっかく連れてきた人が、他のお店と並べて見られます。しかも価格順で。
わざわざお金を払って連れてきた人を、競合の隣に置いていることになります。もったいないです。
LINEやメールの役目は「今決められない人を残すこと」
そして、ここが一番抜けやすいところです。
LPまで作ったとして、それを見た人が全員その場で予約するかというと、しません。むしろ、しない人の方が多いです。
「よさそう。でも今日は決められない」「予定を確認してから」「ちょっと考えます」
この人たちが、何もしなければ全員消えます。
その場で決められなかっただけで、興味はあったんです。それなのに、二度と戻ってこない。広告費を払って連れてきたのに、です。
だから、残す場所を用意します。LINEの友だち追加でも、メールの登録でもいいです。
ここで大事なのは考え方で、追いかけるためじゃなくて、待つために用意するということです。相手のタイミングが来たときに、思い出してもらえる場所。それだけで、取りこぼしがガクッと減ります。
ここだけの話、安い見積もりは工程が抜けています
さて、ここからが本題かもしれません。
「動画1本いくら」で頼んでいる場合、たいてい動画しか入っていません。
これ、見積もりを見ても分かりにくいんです。だって「LPは入っていません」とは書いてないので。書いていないものは、無いんです。
安いのは、腕が悪いからじゃありません。工程が削られているからです。
3つやるはずのところを1つしかやっていないなら、そりゃ安いです。当たり前です。
悪気があるわけじゃないんです
ここ、誤解しないでほしいところです。
削っている側にも、悪気はないことが多いです。むしろ善意のことすらあります。
「予算がなさそうだから、動画だけにしてあげよう」「LPまで提案したら、高いと思われて断られるかも」「まず1本から、と言われたし」
優しさで削られていることがあるんです。
でも、削った結果どうなるかというと、成果が出ません。 そして「広告は効かなかった」という記憶だけが残ります。これ、両方にとって最悪の結果です。
外注するのにも、知識は要ります
ここで、たぶん一番言いたいことを書きます。
外注って、丸投げできるものだと思われがちなんですけど、違います。
何を頼むかを決めるのに、知識が要ります。
さっきの見積もりの話がそうです。知識がなければ、安い見積もりを見ても「ラッキー」で終わります。何が抜けているのか判断できないからです。
これ、けっこう厳しい現実です。知識がないまま外注すると、安さでしか比べられません。 中身が見えないので、そうするしかないんです。そして安い方を選んで、工程が抜けていて、成果が出ない。
じゃあ、勉強しないといけないのか。
しなくていいです。というか、専門知識は要りません。
必要なのは、これだけです。
外注するのに必要な知識は、この2つだけ
1つ目。工程の名前と、それぞれの役目を知っていること。
今日書いたことです。動画は連れてくる。LPは迷いを消す。LINEは決められない人を残す。この3つの名前と役目を知っているだけで、見積もりの中身が読めるようになります。
作り方は知らなくていいです。何のためにあるのかだけ知っていれば足ります。
2つ目。どこで止まっているかを見る目を持っていること。
表示で止まっているのか、クリックで止まっているのか、その先で止まっているのか。これが分かると、直す場所を指定できます。
逆にここが分からないと、「なんか成果が出ないので、いい感じにしてください」という頼み方になります。これ、受ける側からすると何もできません。
この2つだけです。 動画の編集ソフトの使い方も、広告の細かい設定も、知らなくていいです。
なぜこれだけで足りるのか
発注する人の仕事は、作ることじゃなくて選ぶことだからです。
工程の役目が分かれば、何が抜けているか選べます。止まっている場所が分かれば、どこを直すか選べます。選べる状態になっていれば、あとは作れる人に任せられます。
逆にここを持たずに丸投げすると、判断まで外注先に期待している状態になります。相手は制作のプロであって、あなたの店の判断のプロではありません。
だから、聞いてください
じゃあ実際にどうするか。
答えはシンプルです。何が入っていて、何が入っていないかを聞く。 それだけです。
こう聞いてみてください。
「クリックしたあと、その人はどこに着きますか」
この質問1つで、ほぼ分かります。
「プロフィールです」と返ってきたら、LPが無いということです。「予約サイトです」なら、比較の場に置くということです。「LPを作ります」なら入っています。
もう1つ。
「その場で予約しなかった人は、どうなりますか」
「そこで終わりです」なら、残す場所が無いということです。
この2つを聞くだけで、抜けている工程が見えます。
そのうえで、抜けているものを自分でやるか、追加で頼むか、今回は無しで進めるかを選んでください。 知らないまま進めるのと、知って選ぶのは、まったく違います。
予算を増やす前に、見る場所があります
最後にこれだけ。
広告で成果が出ないとき、多くの人は予算を増やそうとします。
でも、さっきの5,250円の例で予算を増やしていたら、どうなっていたか。
同じ場所で止まる人が、増えただけです。
クリックの先が無い状態で人を増やしても、こぼれる人が増えるだけなんです。お金の使い方としては、一番もったいない形です。
だから、増やす前に確かめてください。どこまで動いて、どこで止まっているか。
- 表示されていないなら、届いていない
- クリックされていないなら、動画が刺さっていない
- クリックされているのに予約が入らないなら、受け皿が無い
止まっている場所によって、直すものが全然違います。直す場所を間違えると、いくらやっても動きません。
まとめ
- 広告は動画とLPと連絡先の受け取りで1セット
- 動画の役目は連れてくることだけ。 決めさせる役目は持っていない
- LPの役目は迷いを消すこと。 プロフィールや予約サイトでは代わりになりにくい
- LINEやメールの役目は、今決められない人を残すこと
- 安い見積もりは、腕ではなく工程が抜けていることがある。しかも善意で
- 発注するとき聞くのは2つ。クリックの後どこに着くか/その場で決めなかった人はどうなるか
- 予算を増やす前に、どこで止まっているかを見る
広告が効かなかったんじゃないんです。広告は、自分の担当分をちゃんとやっていました。
その先が用意されていなかっただけです。
この考え方の全体像はSNS集客がうまくいかない本当の理由に、発注するときのお金の決め方は知り合いに無料で頼むなら、あなたの仕事も無料でやってあげられますかにまとめてあります。
よくある質問
動画だけで広告を出すのはダメですか
ダメではありませんが、その場合クリックした人の着地先を用意しておく必要があります。着地先が無いまま出すと、クリック代だけ払うことになります。
LPは必ず必要ですか
予約サイトやプロフィールで代用できる場合もあります。ただしそこが比較の場になっていると、価格で比べられて終わることが多いです。
LINEに誘導するのはしつこくないですか
その場で決められない人のための場所です。追いかけるためではなく、待つために用意すると考えてください。
予算はいくらから始めればいいですか
金額より、受け皿が用意できているかが先です。受け皿が無い状態で予算だけ増やしても、止まる場所は変わりません。
安い見積もりは避けた方がいいですか
避ける必要はありません。何が含まれていて何が含まれていないかを聞いて、抜けている工程を自分でやるか誰かに頼むかを決めてください。
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