この記事の要点

  • サーバーを解約するとメールは止まる。受信は無料で残せるが、送信は別の手当てが必要になる
  • ドメイン無料特典で取ったドメインは、サーバーを解約すると失うことがある。契約種別を先に確認する
  • robots.txtが存在しないサイトマップを指していると、検索エンジンに記事を渡せていない
  • スパム対策プラグインは、入っているだけでは動かない。有効化されているかを見る
  • 作って終わりの状態は、1年で確実に壊れる。壊れても誰も教えてくれない
  • 引っ越しの一番の効果はサーバー代より保守が消えること。順番を間違えなければ、作業中も古いサイトは動いたまま

自分のサイトのサーバーを引っ越すことにして、その前に中身を点検しました。結果を先に書きます。サイトマップが1年間、存在しないファイルを指し続けていました。 つまり検索エンジンに記事の場所を渡せていませんでした。

自分でやっているサイトです。誰かのせいにはできません。

事業をやっていれば、サーバーとドメインとメールには必ずぶつかります。でもこの3つは、業者に任せていると一生分からないままになりがちです。分からないまま解約して、メールが止まったり、ドメインを失ったりします。

この記事は、私が自分のサイトを点検したときに実際に出てきたことを、そのまま点検リストにしたものです。専門用語はできるだけ避けて書きます。

サーバーとドメインとメールは、それぞれ別のもの

最初にここを分けておくと、あとが楽になります。

ドメインは住所です。ai-blossom.net のような文字列そのもので、年単位で借りています。

サーバーは建物です。サイトのファイルが置いてある場所で、月額または年額で借りています。

メールは郵便受けです。多くの場合サーバーの中に作られています。

この3つは同じ会社にまとめていることが多いので、ひとつの契約に見えます。でも中身は別々です。だから「サーバーを解約する」と決めたときに、住所と郵便受けをどうするかを、それぞれ考える必要が出てきます。

点検1:サーバーを解約したらメールはどうなるか

何もしなければ止まります。受信も送信もできなくなります。 郵便受けが建物の中にあるので、建物を解約すれば一緒に無くなります。

ただしドメインは残せるので、メールの行き先を別の場所に付け替えることはできます。ここで多くの人がつまずくのは、受信と送信が別の問題だという点です。

受信は簡単です。転送サービスを使えば、独自ドメイン宛に届いたメールを普段のアドレスに流せます。無料で使えるものもあります。

送信は別です。転送サービスの多くは受信専用で、そのアドレスから送ることはできません。名刺に載せたアドレスに問い合わせが来て、返信すると別のアドレスが表示される、という状態になります。相手からすると少し不安です。

なので名刺にアドレスを載せるなら、送信できる状態まで用意する必要があります。方法はいくつかあり、月額数百円で済むものから、月千円前後かかるものまで幅があります。

そして忘れやすいのが、今そのメールボックスに入っているメールは、解約すると消えることです。取り出してから解約してください。

点検すること

  • 独自ドメインのメールアドレスを、いくつ、どこで使っているか
  • そのアドレスを名刺やサイトに載せているか
  • 載せているなら、送信もできる状態を用意できているか
  • メールボックスの中に、残しておきたいものはあるか

点検2:そのドメイン、解約したら失いませんか

これが一番こわい落とし穴です。

レンタルサーバーにはドメイン無料特典がついていることがあります。サーバーを契約している間、ドメイン代がずっと無料になるものです。お得なのですが、サーバーを解約すると特典も終わるため、条件によってはドメインを失います。

ドメインを失うということは、サイトのアドレスが消えるということです。積み上げた記事も、他のサイトから貼られたリンクも、全部そこで切れます。

私の場合は7本のドメインを持っていて、確認したところ全部が通常契約でした。特典で取ったものは1本もなかったので、解約してもドメインは残ります。ここが分かるまでは移行に手をつけられませんでした。

点検すること

  • 契約管理画面を開いて、ドメインの契約種別を見る
  • 「通常」なのか「特典」なのかを1本ずつ確認する
  • 特典だった場合は、解約前に別の会社へ移すか、有料契約に切り替える

これは移行を始める前に、一番最初にやってください。 ここを確認しないまま解約手続きを進めると、取り返しがつきません。

点検3:サイトマップは生きていますか

ここが今回、自分で見つけたいちばん恥ずかしい問題でした。

サイトマップは、検索エンジンに「このサイトにはこういうページがあります」と渡す一覧表です。これがあると記事を見つけてもらいやすくなります。

私のサイトには robots.txt というファイルがあって、そこに「サイトマップはここにあります」と住所が書いてありました。ところがその住所を開くとページが存在しませんでした。 案内板だけが立っていて、その先に何も無い状態です。

原因は、使っていたプラグインがサイトマップを作らない種類のものだったことと、別のセキュリティ設定が標準のサイトマップを止めていたことの組み合わせでした。どちらも、設定した時点では正常に動いていたはずのものです。

誰もエラーを出しません。サイトは普通に表示されます。ただ静かに、検索エンジンに何も渡せていない状態が続きます。

点検すること

  1. ブラウザで自分のサイトのアドレスの後ろに /robots.txt をつけて開く
  2. Sitemap: と書かれた行を探す
  3. そこに書いてあるURLをそのままブラウザに貼って開く
  4. ページが表示されなければ壊れています

3分で終わります。1年放置していた私が言うので間違いありません。

点検4:止まっている機能はありませんか

サイトを開いてみたら、スパム対策のプラグインが停止したままになっていました。入っているのに、有効化されていない状態です。

結果、承認待ちのコメントが200件以上たまっていました。中身はほぼ迷惑メールの類です。誰も見ないので、たまり続けていました。

同じように、目次を出すプラグインも停止していました。 長い記事なのに目次が出ていない状態です。読みにくいので、途中で離脱していた人がいたはずです。

インストールと有効化は別、というのはよくある落とし穴です。入れたときに満足して、有効化を忘れたまま何年も経ちます。

点検すること

  • 入れたはずの機能が、実際に画面に出ているか
  • コメントの承認待ちがたまっていないか
  • 動いていると思い込んでいる機能を、実際に見て確かめる

点検5:土台のバージョンは古くなっていませんか

サイトを動かしているプログラムには、サポートが終わる期限があります。期限を過ぎたものを使い続けると、不具合が出ても直してもらえませんし、セキュリティ上の穴が塞がれなくなります。

私のサイトのうち2つは、サポートが終わったバージョンのまま動いていました。動いてはいるので、気づきません。

ここが厄介なのは、更新すると別のところが壊れることがある点です。だから怖くて放置する、という流れになりがちです。

私が今回サーバーを引っ越すことにした理由の1つがこれです。サイトを静的な形にすると、この保守がまるごと無くなります。 プログラムが動いていないので、更新も、脆弱性への対応も要らなくなります。

点検すること

  • 管理画面に更新の通知が出ていないか
  • 何年も触っていない設定が残っていないか
  • そもそも、その仕組みが今も必要か

点検6:そのサーバーに、何が住んでいますか

最後に、これは笑い話のようですが実話です。

サーバーの中を見たら、自分が忘れていたサイトが2つ入っていました。 何年か前に作って、そのままになっていたものです。片方はドメインが切れていて、すでに誰にも見えない状態でした。

これが問題になるのは、解約したときに一緒に消えるからです。中身を取り出したいものが混ざっていたら、解約前に気づかないと失います。

逆に、忘れていたということは要らなかったということでもあります。今回は2つとも畳むことにしました。

点検すること

  • そのサーバーに、いくつサイトが入っているか一覧で見る
  • 使っていないデータベースが残っていないか
  • 消えて困るものが混ざっていないか

まとめ:作って終わりは、1年で壊れる

今回出てきた問題を並べます。

  • サイトマップが1年間404だった
  • スパム対策が止まっていて、迷惑コメントが200件以上たまっていた
  • 目次が出ない状態で長い記事を公開していた
  • サポートが終わったバージョンのまま動いていたサイトが2つあった
  • 忘れていたサイトが2つ住んでいた

どれも、作った時点では正常でした。 誰かがミスをしたわけではありません。ただ、作って終わりにしたから、時間とともにずれていっただけです。

サイトも、SNSも、広告も、同じ構造をしています。1回やって満足した時点から、静かに壊れ始めます。壊れても誰も教えてくれないので、自分で点検する日を決めておくしかありません。

上のチェックリストは、年に1回でも回せば十分に効きます。3分で終わるものも混ざっています。よかったら、今日のうちに /robots.txt だけでも開いてみてください。


追記:実際に引っ越しました

点検して問題が分かったので、そのまま引っ越しました。このサイト自体が、その引っ越し先です。

やってみて分かったことを、順番ごと書き足します。同じことをする人がいたら、そのまま使えると思います。

なぜ引っ越したのか

サーバー代の節約が一番の理由だと思われがちですが、違いました。

保守が消えることの方が大きかったです。

WordPressは動き続ける仕組みなので、本体の更新、機能の更新、セキュリティ対応が終わりません。触っていなくても壊れます。実際、1年放置してあの状態でした。

出来上がったページを置いておくだけの形にすると、その保守がまるごと無くなります。 更新の通知も来ません。壊れる部品が無いからです。

順番を間違えないでください

これが一番大事です。やる順番を間違えると、途中でサイトが消えます。

1. ドメインの契約種別を確認する

真っ先にこれです。特典で取ったドメインだと、解約した瞬間に失います。ここを確認しないうちは、他の作業に手をつけないでください。

私の場合は7本とも通常契約だったので、そのまま進められました。

2. いまのDNSレコードを控える

引っ越しでいちばん怖いのは、切り替えたときにサイトが見えなくなることです。控えがあれば、いつでも元に戻せます。

管理画面でDNSレコードの一覧を開いて、そのまま全部メモしてください。5分で終わります。

3. DNSの管理だけ先に移す

ここがコツでした。サイトの中身は動かさずに、DNSの管理者だけを先に移します。

このとき、記録は今までの場所を指したままにしておきます。すると訪問者から見て何も変わりません。 表示も、URLも、そのままです。

管理者だけ先に移しておくと、あとで中身を切り替えるときの操作が1か所で済みます。

4. 中身を作る

ここが一番時間がかかります。私は記事を書き直したので、まるごと数日かかりました。

この間、古いサイトは動いたままです。 新しい方は仮のURLで作って、出来上がるまで誰にも見せません。

5. 旧URLから新URLへの転送を用意する

URLの形を変えるなら、必ずここを先に用意してください。

私は日付入りのURL(/2025/09/02/記事名/)をやめて、/記事名/ に変えました。URLに年が入っていると、それだけで古く見えるからです。

ただし変えると、これまでのリンクが全部切れます。だから旧URLから新URLへ飛ばす設定を、切り替えの前に用意しておきます。

6. 最後に、ドメインを新しいサイトへ向ける

ここまで来て初めて切り替えます。押した瞬間に、見えるサイトが変わります。

詰まったところ

メールが一番ややこしかったです。

サーバーを解約すると、独自ドメインのメールは止まります。受信は転送サービスで無料で残せますが、そのアドレスから送るのは別の手当てが要ります。 ここは意外と知られていません。

忘れていたサイトが2つ出てきました。

サーバーの中を見たら、何年も前に作ったまま放置していたサイトが2つ入っていました。片方はドメインが切れていて、すでに誰にも見えていませんでした。

解約すると一緒に消えます。 中身を確認して、要らないものだと分かってから進めました。

更新できる形にしておくこと。

引っ越し先を選ぶとき、これだけは譲りませんでした。スマホから文字を1つ直せること。

いまは、記事のファイルをスマホのブラウザから開いて、直して、保存ボタンを押すだけで公開されます。パソコンもコマンドも要りません。

ここを妥協すると、また更新が止まります。 止まったサイトがどうなるかは、この記事の前半に書いた通りです。

かかった費用

参考までに。

  • サーバー代 … なくなりました(無料の範囲で収まっています)
  • ドメイン代 … 変わらず(もともと自分で契約していたので)
  • メール … 契約中のクラウドの容量プランに、独自ドメインのメール機能が含まれていたので追加費用なし

月額が減って、保守もなくなりました。

まだ終わっていないこと

正直に書いておきます。この追記を書いている時点で、ドメインの切り替えは処理の途中です。

証明書の発行を待っている状態で、画面には「最大48時間かかる場合があります」と出ています。その間も古いサイトが表示され続けるので、見えなくなる時間はありません。

終わったら、この記事にまた追記します。

まとめ(引っ越し編)

  • 引っ越しの一番の効果は、サーバー代より保守が消えること
  • 順番を間違えない。 契約種別の確認 → DNSを控える → 管理だけ先に移す → 中身を作る → 転送を用意 → 最後に切り替え
  • 中身を作っている間、古いサイトは動いたままにできる
  • URLの形を変えるなら、転送の設定を切り替え前に用意する
  • メールは受信だけなら無料で残せる。送信は別手当て
  • 選ぶときの条件は1つ。自分で直せること

よくある質問

サーバーを解約したら、独自ドメインのメールは使えなくなりますか

何もしなければ使えなくなります。メールボックスはサーバー側にあるためです。ただしドメインは別契約なので、メールの行き先を別のサービスに付け替えれば残せます。

受信だけ残すことはできますか

できます。転送サービスを使えば、独自ドメイン宛のメールを普段使っているアドレスに届けられます。無料で使えるものもあります。ただし転送サービスの多くは受信専用で、そのアドレスから送ることはできません。

ドメイン無料特典で取ったドメインはどうなりますか

サーバー契約が前提の特典であることが多く、解約すると失効する場合があります。契約管理画面で通常契約か特典かを確認してから、解約の手順を決めてください。

サイトマップが404かどうかは、どうやって確かめますか

ブラウザで自分のサイトのアドレスに /robots.txt をつけて開き、書かれているサイトマップのURLをそのまま開いてみてください。ページが表示されなければ壊れています。

静的サイトにするとメンテナンスは減りますか

減ります。WordPressのようにプログラムが動き続ける形をやめると、本体やプラグインの更新、脆弱性への対応がなくなります。そのぶん記事を書く時間に回せます。

仕組みごと任せたい方へ

サイト制作、SNS運用、公式LINEの設計、広告の受け皿づくりまで。つくることに集中できるように、売る側を引き受けています。

相談してみる