この記事の要点

  • 動物病院は診察の場面が重いことが多く、飼い主が自然に口コミを書く動機が生まれにくい
  • 満足した人にだけ依頼するレビューゲーティングと、割引などの見返りを条件にする依頼はGoogleのポリシー違反にあたる
  • 全員に同じ案内をする前提なら、会計時の声かけとQRコードの設置は問題なく行える
  • 医療なので効果は書けないが、待ち時間や説明の分かりやすさなど書いてもらいやすい観点は用意できる
  • QRコードスタンドやLINE公式アカウントは低コストで始められ、外注するなら文面づくりが依頼しやすい範囲

動物病院の口コミは、サロンや美容室に比べて増えにくいという声をよく聞きます。

理由ははっきりしています。

来院の場面が、体調不良やケガといった重い場面であることが多いからです。

飼い主さんは無事に済んだ安堵の方が大きく、その場でスマホを開いて口コミを書こうとはなかなか思いません。

数を増やすには、待っているだけでなく、こちらから軽く背中を押す仕組みが要ります。

口コミが増えにくい理由

サロンや飲食店であれば、満足した直後に口コミを書く習慣が広まりつつあります。

一方で動物病院は、診察のたびに毎回スマホを構えるような場面ではありません。

診察が終わった飼い主さんの頭の中は、会計と次回の通院日のことでいっぱいです。

口コミを書くという発想そのものが浮かびにくいので、何もしなければ数は伸びません。

だからといって、誰にでもやっていい依頼の仕方があるわけではありません。

まず、頼んでいい範囲とだめな範囲を先に決めておきます。

頼んでいい範囲、だめな範囲

Googleのクチコミポリシーでは、割引や粗品と引き換えに口コミを依頼する行為が禁止されています。

見返りの大きさは関係ありません。

次回診察料の割引、粗品、ポイントの付与など、形を変えても同じ扱いになります。

もうひとつ注意が必要なのが、レビューゲーティングと呼ばれるやり方です。

満足度の高そうな飼い主さんにだけ声をかけ、不満がありそうな人には声をかけないという選別が該当します。

これも規約違反にあたり、発覚すると口コミの削除やビジネスプロフィールの停止といった重い対応につながる可能性があります。

裏を返せば、来院したすべての方に同じ案内をする形であれば、口コミをお願いすること自体は問題ありません。

依頼する行為が悪いのではなく、見返りをつけることと相手を選ぶことが問題になる、という線引きです。

会計時のひと声とQRコード

いちばん手をつけやすいのは、会計のタイミングです。

会計を終えた飼い主さん全員に、短い一言を添えます。

「よろしければ、受付の様子や説明について口コミをいただけると嬉しいです」といった、事実に沿った控えめな言い方で十分です。

口頭だけだと後で忘れられてしまうので、レジ周りや受付にQRコードを置いておくと、その場でスマホから開いてもらいやすくなります。

QRコード自体はGoogleビジネスプロフィールの管理画面から無料で発行できます。

スタンドや案内カードの形にする分の費用だけがかかる範囲です。

Googleビジネスプロフィールの基本設定については「Googleビジネスプロフィールの設定と整え方」にまとめています。

LINE公式アカウントでの案内

会計時に声をかけそびれた場合や、通院後しばらくしてから思い出してほしい場合には、LINE公式アカウントでの案内も使えます。

通院のお礼メッセージの中に、口コミ用のリンクを一行添えるだけの形です。

このときも、全員に同じ文面を送ることが前提になります。

満足度によって送る相手を変えると、レビューゲーティングに近づいてしまうので避けてください。

LINE公式アカウントは友だち数が少ないうちは無料の範囲で運用できるので、口コミ依頼だけの目的であれば追加費用はほとんどかかりません。

書いてもらう内容の誘導

動物病院は医療が絡む業種なので、治療の効果について書いてもらう、あるいはこちらから匂わせるような依頼はできません。

「良くなったと書いてください」のような依頼は、効果の断定を促す形になり避けるべきです。

代わりに、待ち時間、受付の対応、説明の分かりやすさといった、体験の質に関する観点であれば案内しても問題ありません。

案内文の例としては「受付の対応や説明について、感じたことを書いていただけると助かります」のような形です。

治療結果ではなく体験について書いてもらう形にしておくと、飼い主さんも書きやすく、こちらも安心して依頼できます。

低い評価がついてしまった場合の返信の型は「悪い口コミへの返信、型と例文」に具体的な例文を載せています。

費用感の考え方

QRコードの発行自体は無料です。

スタンドや案内カードを作る場合、印刷とデザインの手間がかかる程度で、大きな費用にはなりません。

LINE公式アカウントも、友だち数が一定を超えるまでは無料プランの範囲で運用できます。

外注するとすれば、声かけやLINEの案内文をどう書くか、QRコードをどこに置くと自然に目に入るか、といった設計の部分です。

判断そのものは難しくありませんが、忙しい診療の合間に文面を考える時間を取りにくい先生も多いので、そこだけ切り出して依頼する形が現実的です。

反対に、実際にスタッフが飼い主さんへ声をかける場面は、院の雰囲気に合わせて先生やスタッフ自身の言葉で行った方が自然に伝わります。

どこまで自分たちで進め、どこから外に頼むかを一緒に整理したい場合は、お問い合わせからご相談ください。

よくある質問

満足してくれた飼い主さんにだけ口コミをお願いするのはだめですか

レビューゲーティングと呼ばれるやり方で、Googleのポリシー違反にあたります。満足度で相手を選ばず、来院した方全員に同じ案内をする形に揃えてください。

割引や粗品と引き換えに口コミを頼むのはどうですか

見返りの大小にかかわらず禁止されています。割引券、次回無料、粗品のいずれも対象になり、発覚すると口コミの削除やビジネスプロフィールの停止につながる可能性があります。

口コミの中で治療結果に触れられてしまったらどうすればいいですか

飼い主さんが自由に書く内容までは止められません。ただしこちらから依頼する文面や声かけの中では、治療の効果に触れる言い回しを使わないようにします。書いてもらいたい観点として、対応や説明の分かりやすさを案内するだけにとどめてください。

口コミの数はどのくらいで増えてきますか

院の来院数や依頼の頻度によって差が大きく、具体的な期間は一概には言えません。まずは会計時の声かけとQRコードの設置を継続し、月ごとの件数を見ながら調整するのが現実的です。

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