この記事の要点
- 物販が売れない主な原因はトーク力ではなく、勧める導線そのものがないことだと業界の解説記事で指摘されている
- スタッフが罪悪感や失客への不安から勧められなくなる心理的なブロックも大きい
- 施術の会計直前に急に勧めると、お客様が判断する材料が足りず決めきれない
- サロン専売品でもネット通販で買えることが多く、その場で価格や成分を比較されやすい
- 売り込まない方針は勧めないことではなく、選べる状態をあらかじめ整えておくこと
物販の棚を整えても、なかなか売れない。
そう感じているサロンは少なくありません。
原因をスタッフの接客力や説明の下手さに置いてしまいがちですが、実はそうとは限りません。
この記事では、物販が売れない理由を仕組みの面から整理して、売り込まずに買ってもらう置き方をまとめます。
トーク力ではなく、勧める仕組みの問題
美容室の店販についてまとめた解説記事では、店販が売れないサロンに共通するのは、接客トークの上手い下手ではなく、売れる導線そのものが用意されていないことだと指摘されています。
導線というのは、いつ、誰が、どんな言葉で商品に触れてもらうかという流れのことです。
これが決まっていないと、その日の担当者の気分や余裕次第で勧めたり勧めなかったりが変わってしまいます。
まず見直すべきは、スタッフに勧めてと声をかけることではなく、勧める場面と言葉をあらかじめ決めておくことです。
スタッフが勧められなくなる心理
同じ解説記事では、店販が売れない原因はスタッフ個人の心理的なブロックに隠れていることが多いとも指摘されています。
勧めて断られたら気まずい、押し売りだと思われたくない、勧めたことでお客様が離れたら怖い。
こうした気持ちは、まじめに接客しているスタッフほど強く持っています。
この心理を無視して勧める件数だけを求めても、現場は動きません。
先に決めておきたいのは、勧める内容ではなく、勧めていい場面をはっきりさせることです。
カウンセリング中に使っている商品として説明する、施術中に実際に使いながら理由を伝える。
場面が決まっていれば、勧めるかどうかで毎回迷わずに済みます。
会計直前に勧めても遅い
施術が終わって会計をする直前に急に商品を勧められても、お客様の側には判断材料がありません。
なぜこの商品が自分に合うのか、市販の商品と何が違うのか、そうした情報がないまま金額だけ提示されると、その場では断りやすくなります。
情報を渡すタイミングは、会計の直前ではなくカウンセリングの最中です。
自分の肌や髪の状態を聞かれている流れの中で、使っている商品の説明を挟んでおくと、会計のときには既に知っている商品という状態になります。
知っている商品を勧められるのと、初めて見る商品をその場で勧められるのとでは、お客様の受け取り方が変わります。
サロン専売品でも、ネットで比較される
サロン専売品としてうたっている商品でも、実際には通販サイトで購入できるものが少なくありません。
お客様がその場で商品名を検索して、値段を比較してから決めるという行動も珍しくなくなっています。
値段だけで比較されると、サロンでの購入は不利になりやすいところです。
差をつけられるのは、その場でしか聞けない情報です。
自分の肌質や髪質に合わせた使い方、他の商品との組み合わせ方、効果が出るまでの使い方の順番。
こうした説明はネットの価格比較には出てきません。
値段で競うのではなく、自分に合わせた説明で選んでもらう形に寄せておくことが現実的です。
売り込まないは、勧めないという意味ではない
売り込まない接客を心がけているサロンほど、勧めること自体をやめてしまうことがあります。
でも売り込まないというのは、商品について何も言わないという意味ではありません。
聞かれたら答えられる状態、必要な人には自然に届く状態を整えておくことです。
棚に置くだけでなく、商品の説明カードを添える。
カウンセリングシートに、いま使っている商品を書き込む欄を作っておく。
こうした小さな仕組みがあると、スタッフが個人の判断で勧めるかどうかを毎回決めなくて済みます。
物販比率の数字との付き合い方
物販の仕入れ元が運営しているサイトを見ると、物販が売上の3割から5割を占めるという数字が紹介されていることがあります。
これは仕入れ元の立場から見た数字で、すべてのサロンに当てはまる基準ではありません。
大事なのは、この数字を目標にすることではなく、自店の今の物販売上がどれくらいの比率かをまず把握することです。
会計データがあれば、直近数か月の施術売上と物販売上の比率を出してみてください。
そこが分かれば、何をどれだけ変えたら比率が動いたかを、あとから振り返ることができます。
まとめ
- 物販が売れない原因はトーク力ではなく、勧める場面と言葉が決まっていない仕組みの問題であることが多い
- スタッフの心理的なブロック(失客への不安、押し売りへの抵抗)は、勧める場面を先に決めることで軽くできる
- 会計直前に勧めても判断材料がなく、カウンセリング中や施術中に触れておく方が伝わりやすい
- サロン専売品でもネットで比較されるため、値段ではなく自分に合わせた説明で差をつける
- 売り込まないというのは勧めないことではなく、聞かれたら答えられる状態を整えておくこと
- 物販比率の数字は仕入れ元発信のものを鵜呑みにせず、まず自店の現状を把握してから動かす
仕組みを整える手間はかかりますが、勧める場面と言葉を先に決めておくだけでも現場は動きやすくなります。
こうした仕組みづくりを外部と一緒に整理したい場合は、お問い合わせからご相談ください。
よくある質問
物販を勧めると押し売りに見えませんか
会計の直前に急に勧めると押し売りに見えやすいです。カウンセリングの段階で、施術に使っている商品として説明しておくと、押し売りではなく情報提供として受け取ってもらいやすくなります。
スタッフが物販を勧めてくれません。どうすればいいですか
トーク力の問題ではなく、失客が怖い、押し売りだと思われたくないという心理的なブロックが原因のことが多いです。まずは勧める言葉ではなく、勧めやすい場面(カウンセリング中、商品を実際に使う瞬間)を決めておくと動きやすくなります。
物販の比率はどれくらいを目安にすればいいですか
業者向けのサイトでは3割から5割という数字が紹介されていることもありますが、仕入れ元の立場から出ている数字なのでそのまま目標にしないほうが安全です。まずは自店の直近数か月の物販売上の比率を出して、そこを基準に少しずつ動かす方が実態に合います。
サロン専売品なのにネットで買われてしまいます
専売とうたっていても、実際は通販サイトで購入できる商品も少なくありません。値段で比較されると勝てないことが多いので、その場でしか聞けない使い方や、自分の肌や髪に合わせた選び方の説明で差をつける方が現実的です。
物販を置くタイミングはいつがいいですか
施術の会計時ではなく、カウンセリングの最中か、実際にその商品を使っている施術中が向いています。使っている理由をその場で説明できるタイミングの方が、お客様も判断しやすくなります。
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